第五回の言の葉散歩。
今回は最近私が始めた作品について、書いていこうと思います。
二ヶ月程前から、Instagramにて新しい作品の投稿を始めました。
それが「写真詩文庫」。
一冊の文庫本を開いていくように、表紙、中表紙、本文と画像をスワイプして進めるコンセプトで、一週間に一作品投稿しています。

写真詩文庫4『記憶(あ)』の表紙
一番最初はこのような画像で、右にスワイプすると、

中表紙があります。さらに進むと、

このように、本文へと進んでいきます。
「写真詩文庫」は現在6作品まで公開していますが、いずれも詩と写真を交互に編集した作品です。


少しページは飛びましたが、上の二枚は隣合う画像です。詩と写真を交互に読み進めていただくことによる詩情を感じて欲しいのが狙いです。
Instagramで作品を投稿するにあたって、悩んできたのが画像を左から右にスクロールする仕様です。
日本語で作られた詩や小説の文芸作品は、基本縦書きで書かれることが多いです。縦書きで読む以上、右の列から左へ読むのが視線の流れになるのですが、そうなると画像も右から左へスクロールするのが自然です。スマホなどの端末で読む電子書籍も、右から左へスワイプしますよね。文庫本の作りに沿って作られているわけですが、Instagramではそうはいきません。
画像は左から右へ、文字は右から左へ読むという葛藤の中、考えたのが一画像の中で詩作品を毎回終わらせ、写真で区切りをつけるということです。つまり、詩をページを超えることのないほど短くして、毎回写真を挟むことで目線をリセットするということです。
そのため、詩、というよりかはコピーに近いような作品も多く出来上がりました。

写真詩文庫1『葉桜の瞼』より
これは一番最初の写真詩文庫の、一番最初の詩ですが、この頃からイメージは詩というよりコピーに近いものでした。
写真詩文庫、つまりこれらは一冊の文庫本のイメージです。一つの詩ではなくて、詩集。四篇の詩と、四枚の写真は全て異なっていて、独立した存在であって欲しい。けれど、なんだかこのように短いコピーのような作品が続くと、詩の一行目みたいな、二行目、みたいな感覚があって、すこし狙いとずれているようなイメージもあります。
なので、次からは各詩に題名をつけようかな? 詩は本文と同じように題名も大切なので、その方が良いかもしれません。画像の小ささの都合上、題名は敬遠してきましたが、次から試してみるのもいいのかも。
なんて、このようにまだ日々模索しながら少しづつ変えたりして、より良い作品にしようと試みてみます。
この作品群にかんしては、大切なのは継続なのかな? と考えています。一週間に一度ですが、作品作りにルーティンができるし、何よりそもそもの筆力も継続することで上がりますしね。
そして、密かな楽しみなのが、

自分のInstagramの投稿欄
こんな感じで文庫本の表紙でInstagramの投稿欄が埋まっていくこと。
本棚に本が詰まっていたらワクワクするように、表紙がこんな感じで集まっていたら、だんだん開いてみたくなってくる気がするのは自分だけでしょうか?
SNSで詩を投稿するにはどんなパッケージがいいだろう、と考えての試作品ですが、新しい表現の形かなとも思えています。これから続けるにあたり、どんなふうに変化していくのか、また作品自体への意義などについても、随時考え疑問を持ち続けながら制作に励みたいと思います。
それでは最後に、特に気に入っている詩と写真を載せて今回の言の葉散歩は終えようかなと思います!


写真詩文庫6『ちょうちょの瞳』より
今回の言の葉散歩はこれにて終わり。
また来月お会いしましょう!
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