はじめまして。フォトアーティストのさやかです。
この度、Nine Gallery様から「コラムを書く」という、個人的にチャレンジングな機会をいただきました。
私は花や植物など自然をメインとした作品や、素材を掛け合わせた写真作品を制作しており、写真展やSNSなどを通じて発表をしています。
また以前には、「書」や「紙造花」など別ジャンルの美しいアートと写真を掛け合わせた作品の発表という、貴重な経験にも恵まれました。
そのため「写真に言葉を添えること」は今までも写真や写真集を制作する中で経験してきましたが、自分の見解や感情を織り交ぜた「言葉を中心とした表現」の発表は、新しい試みとなります。
写真を作品として発表する時には、作品そのものに最善を尽くすのはもちろんのこと、そこにどのような「言葉」を添えるかによって、見てくださる方への作品の届き方が変わってくると個人的に思っています。
私はそこに難しさと、より良くできるのでは?という余地を感じていて、文章を書くことへ関心が向いている時期にいただいたお話でした。
このコラムでは、言葉を使った表現をするための筋トレ的要素も含ませながら、私が「日々の生活の中で感じたこと」や「写真を撮っていること」について、過去の記憶や今の思いを、写真を織り交ぜながら綴ってみたいと思います。
月に1回、全6回のコラム。
初夏の頃合まで季節の移ろいとともに、どうぞお付き合いくださいませ。
冒頭の写真は、職場近くの緑豊かな一角で撮った1枚です。
朝いつもより少し早く駅に着き、いつも歩く大通りとは違う裏道、細道を5分ほど歩いた先にその緑地は姿を現します。
人通りが多く、目的地へ向かおうと少し忙しい大通りとはまったくの別世界。
近所の方が犬の散歩をしたり、遊具を楽しむこどもを見守るお母さんの姿など、そこで生活する方達の日常が垣間見れるエリア。
前述の通り、朝撮った写真なのですが早起きが得意ではない私が、冷え込む冬の朝に少し早く布団から出るにはその先のご褒美(やって良かったという高揚感や充足感)が何よりも必要です。
まあ、試しにやってみようかと11月初旬の気候の良い日の朝、目的の緑地へ向かってみたところ、穏やかな時間の中澄んだ空気や、たっぷりと降り注ぐ光の中に身を置き、思い思いに、無心に撮影をしていたら「またこの気持ちの良い朝を過ごしたい」という気持ちになれたのです。
実際、大して早起きできなかったので短い時間でしたが、それでもいつもと違う時間を過ごしたということが大事。きっと大事。
清々しい朝を過ごせ、作品撮りもできるなんて最高。余談ですがその後の仕事も心なしか捗った気するという嬉しいおまけもついてきました。
そんなわけで朝の撮影時間は、無事にご褒美認定されたのです。
始めて2ヶ月、週に1回撮影をするというスローペースな習慣を今はじわじわと積み重ねています。
正直少ない頻度だと自分でも思いますが、季節の変化を感じられ、無理なく続けるために私にとっては程よいペースなのだと思います。
毎日やろう!と意気込んだものの天候や気分を理由に途絶えてしまったら元も子もないので。
ピントやぼかしのバランスを探るのが楽しい
そもそもこの習慣をはじめるまでに、2つのきっかけがありました。
1つは写真を撮る(作品をつくる)頻度を上げたいと思っていたということ。
そのために、今日は写真を撮りに出かけよう!と意気込んでカメラを持ち出すだけではなく、日常の中で自然に写真を撮る仕組みを作りたいと思っていたのです。
そんな朧げな願望を頭の隅っこに置きながら過ごしていたある日、一緒に働く女性がSNSに投稿した1枚の写真に目が止まりました。
清々しい緑が映る写真が職場近くの緑地で朝撮ったものだと気がついた時に「これだ!」と、隅っこに置いていた思いが急激に頭の中で具体的なものになっていきました。朝、仕事の前にここで撮ればいいんだと。
こういった瞬間って、バラバラに散らばっていたピースが音を立てて当てはまっていくようで、とっても気持ちがいいですよね。
これが2つ目のきっかけでした。
現状を変えたい、⚪︎⚪︎できるようになりたい、といった思いを実現化するにはそれなりの意志と工夫が必要で、思っているだけではいつしか日常の隙間にスーッと消えていってしまうこともしばしば。
何も進んでいないことにはたと気がついた時には、そんな自分にネガティブな感情を持ってしまいますが、今回のように実行に移し習慣化まで辿り着けると、やればできるじゃん。とほっとできるのです。
このようにしてはじまった朝の撮影習慣。
1月はピンと張り詰めた空気の中で見上げた朝寒の景色です。
これから春、初夏にかけて移り変わる様子をこのコラムの中でもお届けしていきたいと思います。
さやかさんの写真との日々が、ゆるやかに優しい言葉で綴られていて、読んでいて心地よかったです。そして、共感の嵐。私も『ちょこっと撮りに行こう。』と思いました。続きも楽しみにしています。
Aki Naka様
コメントありがとうございます。
共感ポイントが似ているようでとっても嬉しいです。
ちょこっと撮りdayおすすめです◎
また来月以降もどうぞよろしくお願いいたします。(Sayaka)