原田佳実

リス月誌「リスと記録」

みなさまこんにちは。私の住む街では3日程前から土には霜が降り、車のフロントガラスもカチコチに凍って、空気も冬の匂いになりました。ちょっと前まで暑い暑いと言っていたのに、もう今は寒くて辛いです…。

前述の通り私は寒いのが苦手なのですが、冬は葉の隠れ蓑がない分、生き物を観察しやすい!寒いからこそみられる気象現象がある!冬に来る鳥に会える!そして何より、寒いと毛がふわふわでもふもふで可愛さ増し増し!撮影するにも超オススメな季節です。楽しさが寒さを凌駕してくれます。

そう、寒ければ寒いほど冬の撮影は楽しいです。ちなみに厳冬期の私の装備はというと、上からニット帽・ネックウォーマー・長めダウン・ハイネックニット・ヒートテック・手袋(撮影のため薄め)・レインパンツ(防水&耐風のため)・ダウンパンツ・ズボン・すごくあたたかいタイツ・靴下・ワークマンのダウンブーツです。超超重ね着です。ワークマン、かなり優秀で助かっています。皆さまも凍えないよう、万全の対策をして冬の生き物に会いに行ってみてくださいね。その後の温泉は格別ですよ!

さて、もうあと3回日曜日が来ると2025年が終わってしまいます。年々時間が経つスピードが速くなる現象ってなんなんでしょうね。時計の針も、もう少しゆっくり進んでほしいものです。リス月誌も早いもので6回目、最終回となりました。

これまで私は「りすぱら」(2018年)、「りすだもん」(2020年)、「ももんがたり」(2024年)、「リスになりたい」(2025年)と4回の個展を開催してきました。「りすぱら」と「りすだもん」はリスの可愛さをきっかけにリスのことを知って欲しくて、「ももんがたり」はエゾモモンガの生態に一歩踏み込んで、「リスになりたい」は私にとって憧れの対象であるリスが自分の目にどう映っているか、でした。

この先の私はどのように進んでいくのでしょうか。第4回のリス月誌では、リスに関してはまだ次のテーマが見つかっていないと書きましたが、リスに会いに行くことは私のライフワークなので一生撮り続けてゆきたいと思っています。どんなふうに見ていただけるかはまだわかりません、おそらく今後撮り続けていく中で見えてくるのでしょう。それでは他のアイデアが全くないか、といえばそうではありません。何とはまだ言えるような段階ではありませんが、考えてること・表現したいこと・撮りたいものが色々とあります。実現できるように頑張ります!

写真には「記録する」という重要な役割があって、この先どんな時代になっても何は流行ってもそこは無くなってはならないし、忘れてはならない根幹であると思っています。これまで様々な場所でリスや他の動物と出会ってきましたが、温暖化による環境変化はもちろんのこと、彼らが暮らしていた木が朽ち果て折れてしまったり(上の写真の木も今年の春に幹が折れて無くなってしまいました)、火山活動が活発になり入ることすら叶わなくなった山もあります。また、孤立した場所に住んでいる子たちが少しずつその数を減らしていることを知りました。今あることは当たり前じゃない。いつか無くなってしまう未来がきてしまう可能性があること。それを強く思うようになりました。なので作家として表現したいこととは別に、彼らがそこに生きていたことを、私の手が届く範囲にはなってしまいますが、しっかりと記録として残したい。そして、何か他に私にもできることがないかを模索していきたいと考えています。

8月の個展前にコラムのお話をいただいた時には、私には難しいかも…と尻込みしていたのですが、なんとか6回書き切ることができました。このような大変貴重な機会をいただきNine Galleryの本間さんに感謝です。そして読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました!

直近では来年春に展示の機会があるはずですので、もしよろしければ私のXやInstagramなどでお知らせをチェックしていただけると嬉しいです!またお目にかかれる日を楽しみに、これからも撮影に励みます。半年間ありがとうございました!

原田 佳実

原田 佳実

原田 佳実(はらだ よしみ)。東京都出身、在住。 リスの人。 個展【2018年11月「りすぱら」ギャラリーNadar/2020年1月「りすだもん」ソニーイメージングギャラリー銀座/2024年11月「ももんがたり」OM SYSTEM GALLERY】/2025年8月「リスになりたい」 著書【「森でつながるエゾモモンガ」(文一総合出版)】

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