
多数の高層湿原(萢)や沼、川、湖、そして滝が存在している南八甲田。
それらはブナを主力とする広大な広葉樹林の卓越した保水力がもたらしたもので、
水の楽園と言っていい地域です。水をめぐる風景こそ南八甲田の真髄です。
そのような自然の中を数百日も野営しながら歩いてきた中で、
私が自然から学んだことは、(シンプルに)、すべての生物が自由に生きているということ、
そして、他者の自由にも寛容であるということです。
生物多様性とは、まさにこの自由を基盤としています。
「ネイチャーフォト」は、太陽の恵み、自然の力なくしては、優れた写真は撮影不可能です。
人間の過剰な感情移入は、撮影の妨げとなります。自然への敬意と愛が必要です。
近年、気候変動による気候危機が深刻化し、世界各地で大自然が破壊され始めています。
この問題意識をみんなが共有してほしいし、僕自身、自省の念を込めて、
自然に対する愛のある写真を撮影することで、少しでも貢献できればと考えています。
【展覧会情報】
▼タイトル:HOTOGRAPHERS’ ETERNAL COLLECTION Vol.19 岩木登 南八甲田
▼作家:岩木登
▼日程:2026年10月6日(火)〜11日(日)
▼時間:10-19時、最終日は17時まで
▼入場料:無料
〇ギャラリートーク:先着申込順定員各回 25 名
参加費 500 円ワンドリンク付き
※詳細は後日HPにてお知らせいたします。

■写真集について
原生の自然をテーマに撮影を続ける写真家・岩木登氏の写真集です。南八甲田は、世界で唯一ブナの原生林がそのまま残され、かつ氏の故郷でもある場所です。本作は、道なき道に分け入って撮りためた、通常は目にすることのない南八甲田の素顔を厳選した1冊です。
幾重にも広がるブナの原生林、その保水力が育む湿原、沼、川、湖、そして滝が存在する南八甲田は、世界でも稀な“水の楽園”として生き続けています。いま、大自然が失われつつある時代に南八甲田のありのままの姿が、私たちに自然への敬意と守るべきものの価値を静かに語りかけます。
印刷・製本は、キヤノンの業務用フォトプリンター「DreamLabo 5000」を使用しています。広い色再現や精細な解像感、暗部の諧調表現による立体感を追求しており、氏の作品を余すことなくお楽しみいただけます。
【PROFILE】
岩木登
青森県十和田市生まれ。1979年から六本木、恵比寿の自社スタジオでコマーシャルフォトグラファーとして活躍。2009年にはキヤノンカレンダーの撮影を担当した。主な写真集に『南八甲田の森をゆく』(ART BOX インターナショナル)、『峡谷に宿るもの』(東奥日報社)、『ワッカ Wakka/いのちの水の回廊』などがある。2012年に十和田市焼山に移住し、撮影の拠点としている。

